Empathemian 『ジル』

We live what we feel.(感じることは生きること)

絵本『いつでも会える』の主人公、犬のシロは、大好きなミキちゃんと死に別れます。

飼い犬を失って悲しむ話ではなく、犬が飼い主をなくして悲しむのです。

悲しみにくれるシロを呼ぶ、なつかしい声がします。

空にいるよ。
いつでも会える。
いまも これからも。
ずっと かわらない。

シロは、ミキちゃんに会えました。こう語ります。

目をつむると、いつでもあえるんだ。
とおくて、ちかいとこにいたんだね。
まぶたのうらで
ぼくらはあのときのまま
いつでも会える

犬のかなしみが、人間のかなしみを語ります。
犬のよろこびが、人間のよろこびを語ります。

それは、犬の心と人間の心とが、つながっていたから。共に感じる世界で結ばれていたから。

私にも、犬とも、猫とも、共に暮らす日々がありました。
犬のジルとチビ。ネコは、トラ、コロ、ケロ、ミミ。猫二匹を交通事故で失いました。

『いつでも会える』に出会ったのは、それよりずっと後のことです。

犬の気持ちになって、じぶんによりそう、ということができるのですね。

相手の身になると、じぶんに寄り添える。

おなじテーマを題材にした、絵本からのエンパレットです。

「解決ではなく、克服する知恵[スーホの馬]」

「一度の実感で気づく「存在のありがたさ」」

「おくりものは共感体験」

出典・参照:菊田まりこ『いつでも会える』

菊田まりこ