Cultivate your mind.(じぶん風土を育てよ)
ユクスキュルは、こう説きました。
生物種ごとに住む世界のイメージは異なっている。
アリにはアリの世界、チョウにはチョウの世界、サクランボにはサクランボの世界がある。
みな、それぞれちがう、「じぶんの世界」を生きているのです。
生物にとって、意味あることだけが知覚されます。
ユクスキュルはそれを、環世界 (Umwelt) と呼びました。
「行動は刺激に対する物理反応ではなく、環世界あってのものだ」というのです。
ひるがえって、私たち人間はどうでしょうか。
私たちもまた、ただ環境が与えられているのではありません。
ふれあい、関わって、世界のイメージを、じぶんの内側からもつくっていきます。
相互作用だけではありません。
その共同・協働作業を通して、世界像をつくっています。
共にある世界、共感的な世界が、「じぶんにとっての環境」なのです。
人間らしさとは、この身体であり、この環境であり、そこでうまれる心のはたらきです。 そう、環世界です。
私たちは想像と共感のじぶん風土を生きている。
人間に備わっている共感の力を活かしましょう。
環世界をあじわう術を学びたいものです。
出典・参照:ヤコブ・フォン・ユクスキュル『生物からみた世界』、以下のエンパレットなど