Act, to be engaged.(ふるまえば、つながる)
矢田部英正さんは、「からだのメソッド」で、こう語ります。
「古来、日本人の態度として、人間の力によらないものについてはあえて意味づけをしない風習のようなものがあった。
ある意味それは自然に対する畏敬の念からでもあったろうし、
人知をこえたところで働いている秩序に対して、
人間の理解可能な理屈のなかだけで向き合おうとするのは不遜な態度であると、
昔の人はそう考えたからかもしれない。
理屈を考える前に、まずは「観る」ということを、物事と向き合う姿勢にすえたのであろう。
身体の自然性はからだの内側にはたらいているばかりではなく、身体をとりまく外界の自然とも呼応する共感覚をもっている。」
「身をもって」体験するとか、
「心をこめて」接する、と言いますね。
頭の中では、その大切さを知っている。
でも、自覚して何かをするという体験は何かと聞かれる?
返事に困ってしまうものです。
「身をもって」の原点、もとになるものは?
「心をこめて」の端緒は?
いちばんはじめのものは何でしょうか?
それは、文字どおり、身体の姿勢です。
そして、その場です。
身体のふるまいの中に、私たちは生きている。
そう考えてみたらよいのかもしれません。
谷田部さんはこう言います。
「身体の動きが、くりかえされる習慣のなかで一定の作法を形づくるようになるのは、
あたかも地中におちた花の種が「芽」や「茎」や「花弁」といった眼にみえるかたちへと育っていく様子ににている。」
ひとり静かに坐る。
呼吸を感じる。
声に出す。
ことばの響きを聞く。
これが、じぶんという土壌に種をまくことです。
じぶんを手入れする原点になります。
Stay engaged.(しっかり関わる)
出典・参照:矢田部英正『からだのメソッド』、『修養トレイルガイド』、以下のエンパレットなど