長田弘『一日の終わりの詩集』の一節から。
黙る。そして、静けさを集める。
こころの籠を、静けさで一杯にする。
そうやって時間をきれいにする。
独りでいることができなくてはできない。
静けさのなかには、
ひとの語ることのできない意味がある。
言葉をもたないものらが語る言葉がある。
独りでいることができなくてはできない。
時間の速度をゆっくりにするのだ。
考えるとは、ゆっくりした時間を
いま、ここにつくりだすということだ。
独りでいることができなくてはできない。
この世には、独りでいることができて、
初めてできることがある。
ひとは、祈ることができるのだ。
あとがきにこうあります。
「人生ということばが、切実なことばとして感受されるようになって思い知ったことは、
瞬間でもない、永劫でもない、過去でもない、
一日がひとの人生をきざむもっとも大切な時の単位だ、ということだった。」
Embrace the small moments.(小さなじかんを大切に)
しずかにすわり、
ひと息吐き出してみましょう。
それがあなたの小さな時間、ひと粒。
出典・参照:長田弘『一日の終わりの詩集・空の下』、以下のエンパレットなど