What am I like?(じぶんて、どんなもの?)
人間の体を構成する細胞は60兆個。
ところが、微生物は腸内だけで100兆個。腸内はサンゴ礁のような生態系。ちょっと驚きですが、本当の話。
細胞は自分の身内、細菌は他人?それとも、「他人のほうが多いわが家」の方が自分?なんだか、不思議ですね。
アランナ・コリンさんは言います。
I’m like a tube.(じぶんは、チューブのようなもの)
「人間は、独立した存在というよりも、マイクロバイオータの容器である。進化で(つまり自力で)やろうとすると、とてつもなく長い時間がかかることを、微生物にお願いして、一緒に暮らすことになった。栄養の摂取は、微生物自身の酵素の働き。わたしたちは腸と共に生きているー」
私の身体にある「腸という臓器」というよりも、むしろ「腸も共に、ひとつのじぶん」なのだと、アランナさんは言うのです。また、私たちは、腸の働きによって、身近な世界を感じとっているのだ、とも。
そう言えば、「あ、時差のせいかな?」とか「気温のせいかな?」とか「ストレスかな?」というふうに、じぶんの体調に気づけるのも、腸の働きのおかげなのですね。
腸の活動は、気分やふるまいと相互に作用しています。「腑におちる」とか「ガッツフィーリング」(腸の感覚)ということばがありますが、実は気分だけでなく、頭で考えてもわからないことを「腸のじぶん」は知っているのかもしれません。
時々思い出したいものです。
腸のじぶんに、共感。
Trust your gut.(じぶんを信じて)
出典・参照: Allana Collen 『10% Human』、以下のエンパレットなど
Alanna Collen TED Talk 「Are your microbes making you fat? 」