おなじ空気を吸っている

ある禅寺にて。
「これは、ギンモクセイね。」誰かの声がした。中学時代の秋の夕暮れ、通学路で通り抜けていた公園を彷彿とさせる。 よく似た、濃密な匂い、芳醇な香りがあたり一面に充満している。小さな白い花びらに手を差しのべて、そっと触れてみる。ふと、ある本の一節が思い出された。

「今日、世界中どこにいても、人が息をすると、その呼気の中に少なくとも1個のカエサル由来の分子が含まれている。」岩村秀さんによる、興味深い話。