いそがなくたっていいんだよ

岸田衿子さんの詩集から「南の絵本」を。

いそがなくたっていいんだよ
オリイブ畑の 一ぽん一ぽん
オリイブの木が そう云っている
汽車に乗りおくれたら
ジプシイの横穴に 眠ってもいい
うさぎにも 馬にもなれなかったので
ろばは村に残って 荷物をはこんでいる
ゆっくり歩いて行けば
明日には間に合わなくても
来世の村にたどりつくだろう