Keep your smile.(いつも笑顔で)
仕事にも学習にも、頻繁に使われるようになったビデオ会議。
はじめに相手と顔をあわせる時、あなたは笑顔ですか?
笑顔は心の窓。
心が笑顔だと、表情に表れます。
じぶんの表情は、じぶんでは見えません。
でも、鏡があります。
それは、相手の表情です。
相手の表情が固い、と感じられることがありますか。
人間、だれでも緊張したり、少し構えたりします。
互いの心を和らげるのは?
それは、あなたの笑顔です。
相手にむかい、じぶんから心をひらく時、自然な微笑みが生まれます。
あなたの笑顔が働きかけることで、相手の表情が和らぎます。
I like your smile.(笑顔が素敵ですね)
いまから200年前。
フランスの神経内科医デュシェンヌは、本物の笑顔(genuin smile)を発見しました。
心から笑う時、口角と頬が上がり、目尻にシワができます。
つくり笑いや意識的な微笑とは決定的な違いがあります。
それは、大頬骨筋(zygomatic major muscle)と呼ばれる筋肉です。
収縮すると、唇の角が頬骨に向かって斜めに引き上げられます。
また、唇を伸ばし、頬を上に引き上げます。
そして、目の下の皮膚を袋状にし、目尻の先にシワをつくります。
このシワは、カラスの足跡(Crow’s feet)と呼ばれます。
意識的にこのシワをつくるのは困難です。
役者さんが演じる笑いも、心を笑顔にしているのです。
近代心理学の父・ウィリアム・ジェームズは言います。
悲しいから泣くのではない。泣くから悲しいのだ。
うれしいから笑うのではない、笑うからうれしいのだ、と。
日頃、心から微笑むプラクティスをしていると、
自然に「デュシェンヌ・スマイル」が表れます。
作為的にできないからこそ、ふだんの笑顔が大切。
微笑む習慣がないのに、突然、相手に笑顔で働きかけることはできません。
Open up your heart.(心をひらいて)
ネットでデュシェンヌを調べると、「デュシェンヌ型筋ジストロフィー」(Duchenne muscular dystrophy)という病名が出てきます。
が、デュシェンヌは生涯を、スマイルの科学に捧げた人でもあります。
人はなぜ、微笑むのでしょう?
相手に心をひらき、じぶんからつながろうとするためです。
じぶんから相手に関わろうとする心がスマイルになるのです。
笑顔は、身体運動であり、脳の働きです。
じぶんのためではなく、相手と共にあること、共感の心を分かちわうための大切な働きです。
出典・参照:以下のエンパレットなど
Guillaume Duchenne de Boulogne
The Mechanism of Human Physiognomy
Our Social Nature: The Surprising Science of Smiles
The Mechanism of Human Physiognomy (The Public Domain Review)
Charles Darwin 『The Expression of the Emotions in Man and Animals』
相手と共に紡ぎ出すことば (身のまわりの時間と空間のアフォーダンスによって)