Every action counts.(すべての所作が大切)
タコはたいへん知的な動物であることを紹介しました。(*注1)
「人間みたいな、好奇心旺盛な心」だけでなく、とてもおいしい、ありがたく頂くことのできる存在でもあります。
Pulpo A La Gallega(タコのガリシア風)
スペイン北西部・ガリシア地方の名物料理です。
やわらかく茹でたタコとじゃがいも、組みあわせの妙。
素材はシンプルです。
ゆでダコ
パプリカ
オリーブオイル
塩
玉ねぎ
じゃがいも
「タコとじゃがいも」が主役ですが、脇役も大切な役割を果たします。
いえ、脇役がいないと、Pulpo A La Gallegaにはなりません。
おいしさの秘密は素材が融合して、わけへだてのない状態になること。
「じぶん自身」をひとつの料理としてみると、どうでしょう。
素材にあたるのは、ひとつひとつの所作。
小さなことも、大きなこととおなじだけ、大切。
「静かにすわる」とか「ひと呼吸吐く」といったことがあるからこそ、しっかり考えたり、思いをめぐらしたりできるのです。
はじめに思いついた人は、きっと、漁師さんです。
スペインの北西端、ポルトガルの北部にあるガリシア地方。
古くから漁労・船乗りの文化の土地柄です。
古く、ローマ時代は、ケルト人が住んでいたところからガリシア(ゲールの地)と呼ばれていました。
日本の安土桃山時代。織田信長の時代にポルトガルの船で「南蛮渡来」の品々が日本に到来しました。
船乗りの多くはガリシアの漁師さんです。
当時、大航海の時代をさきがけたポルトガルは、アンデス原産のジャガイモを新大陸から伝えました。
想像するに、「タコとジャガイモの出会い」が、自然に、タコのガリシア風を生み出したのでしょう。
南蛮渡来といえば、カステラ、天ぷら、コンペイトウ。
ポルトガルのおいしい料理・お菓子が日本に伝わりました。
おじやも、その時に伝わったのではないか。
その起源説はとても説得力があります。
ガリシア地方では、いまでも、まさに日本の味噌汁のようなスープや、魚介の入った「おじや」を食べます。
おじやは、Olla (なべ)にお米のはいった、漁師の料理。
仮説ですが、いくつもの条件を同時に満たしています。
話がすこし脱線したようです。
が、想像は、このように連鎖して広がっていくものですよね。
出典・参照:以下のエンパレットなど、および、カエサル『ガリア戦記』