Empathemian『All you need is practice 1』

Nothing works unless you do.(じぶんでしなければ、何もわからないよ)

ビートルズに「All you need is love」という曲があります。(注1)

世界中で50年以上、愛されてきたこの曲は、「愛こそはすべて」という邦題で知られています。

どんな意味でしょうか?

① 愛こそはすべて(愛さえあれば、何もいらない)

② 愛こそはすべて(愛があれば、何でもできる)

じつは、どちらでもありません。

「All you need is love」は、「愛こそはすべて」と歌っているのではないのです!

では、作者のジョンレノンは、何を歌っているのでしょうか?
とても深い意味があります。
隠された意味ではなく、歌っていることばのとおりです。
ところが、勘違いをしていると、ことばのとおりに聞こえないのです。

「All you need is love」という時の、love。
「愛」という名詞にも訳せますが、「愛する、大切にする、好きになる」という動詞がベースです。
大切なのは、愛という抽象的な概念よりも、実際にする行為です。

風は吹かない。

風は吹かない?
吹いているものが風です。
吹いていない時は、風ではありません。(注2)

「All you need is love」も、おなじことを歌っています。
じぶんで、実際にしている行為そのものこそ。
ことばで、頭の中で、考えているだけのことではなく。

愛は大切なもの、という常識。
それを否定する話ではありません。
でも、その一方で、つい先入観に囚われてしまいます。

All you need is loveは、曲のメロディや演奏のサウンドとしての名作というだけはありません。
つづきでは、まず誤解を解きましょう。

Life is what’s happenning when you’re thinking about it.(人生とは?そうやって考えている間に起きていることだよ)


「All you need is love 誤解を解く(2)」

出典・参照:『英プラ』トレイル1(20) miniプラコンテンツ、道元『正法眼蔵・現成公案』

(注1)「All you need is love」(こちらに、曲と歌詞、日本語の意味をのせてあります)


(注2)道元禅師『正法眼蔵』は、よく「難解」などと言われますが、決してそのようなことはありません。
ジョンレノンの歌詞についての誤解を解けば「なーんだ、そういうことだったのか、なるほどね」となるでしょう。次回エンパレットにて。