世界は不思議で満たされている。
井上円了は生涯をかけて、宇宙と心の「不思議」を探求し、その哲学を日本の隅々まで伝道した人です。
全国津々浦々、5400回、人々に語りました。
哲学は、本を読むだけのものではなく、実践し活動するもの。生きる対象であるー。
円了先生との語らいを再現してみます。
先生、「不思議」ときくと、気分がいいです。世の中も自分の生活も、わからなくてはいけないものだらけなので。
宇宙の霊妙 不可思議なることが分かりてわかればわかるほど、不思議。
科学で「わかる」ことがたくさん増えるけれど、それとともにわからないことも増える。そもそも、科学は「なぜそうなのか」を語るのではなくて、不思議を探求するものです。
不思議は愉快。不思議が先生。
星辰も教師なり。山川も教師なり。
自然にふれて、わからないこと、不思議を学ぶのですね。未知にふれると想像がわきます。わからないものがある、ということを教えてくれる。その自然に包まれて生きているのに、それを忘れている。
ほんのひとときでも、そんな気持ちになれたら、うれしいですね。
心は不思議。私自身が不思議なもの。
Open up your heart.(心をひらいて)
この話は夢?いいえ、夢ではなくて、不思議です。
円了先生のことばとふれあっているのです。
出典・参照:『井上円了選集』『円了100の金言集』、英語 トレイル2 (46) Open up your heart.
Rikko Sakaguchi 『Philosophy Inspires Technology Innovation – The Enryo Learning Experience 「円了学舎 」on Empatheme Method,International Inoue Enryo Research Issue 8, 2021』