
Only in the darkness, you can see the stars.(暗闇の中でだけ、星は見える)
流れ星とねがい (2) のつづき。
4月22日の夜は、琴座流星群のピークでした。
流れ星は、見られましたか。
琴座流星群。
そう聞くと、琴座から流れ星が飛んで来るのかな、と思いますよね。
でも、そうではありません。
「琴座」は、流星がそのあたりから飛び出してくるように見える、空の方向の名前です。ほんとうに琴座の星から飛んで来るわけではありません。
星座は、地球から見た見かけ上の名前です。
古代の人が星を線で結んでつくった、想像上の図形です。(*注1)
同じ星座に見える星も、宇宙では同じ場所に集まっているわけではありません。
琴座の代表の星は、ベガ。
約25光年(236兆キロメートル)先にあります。
でも、流れ星が光るのは、地上80〜120キロメートルほどの高さです。
ベガは、はるか彼方。
流れ星は、地球のすぐ上。
まったく別のものなのです。

You see the stars because you are.(あなたがいるから、星は見える)
流れ星はどこから来るの?
流れ星は、星ではありません。
石や砂のような、小さなかけらです。
宇宙には、そういうかけらがたくさんあり、太陽のまわりを飛んでいます。
それが地球の大気圏にぶつかる時、その衝撃で、まわりの空気を強く押し縮め、高温になって光ります。その衝突による発光が、流れ星です。
かけらのサイズは、ほんの数ミリ。100キロも先の、そんな小さなかけらが肉眼で見えるのか、と思うかもしれません。
でも、見えているものは、かけらそのものではありません。そのかけらがつくる、長い光の筋です。
地球も、かけらも、どちらも高速で動いています。たった数ミリの小さな粒が、大気の中に数十キロの光の筋をつくるのです。
そのかけらは、どこから来たの?
その多くは彗星(すいせい)が、残したものです。彗星は、太陽系の中を回る、小さな氷と岩とチリからなる天体です。サイズは、直径が数キロメートルぐらいのものが多い。
太陽に近づくと、熱で温められて、少しずつくずれて、細かなかけらを外へ出します。そのあとが、彗星の通り道にそって、細長く広がっていきます。
1年のうち、地球がかけらの多い帯を通る時期があります。琴座流星群は、サッチャー彗星が残したかけらの帯と、地球の軌道が交わる季節です。(*注2)
流れ星は、特別な夜にだけ現れるものではありません。
見たいと思って、夜、外に出て、空を見上げる。
そのとき、星ははじめて、あなたの前に現れます。
「見る」は、あなたの動詞。
「見える」は、星の動詞。
星の「見える」は、あなたの「見たい」によってひらかれます。
そして、目に映っただけではありません。
あなたの心に留まり、想像に変わる。
見えるとは、相手があなたの心の出来事に変わることなのです。
出典・参照:以下のエンパレットなど
(*注1) 星座について。
(*注2) 毎年4月の下旬がサッチャー彗星(C/1861 G1 Thatcher)が残したかけら帯と交わる季節です。2026年は4月21日〜22日ごろがピークとされます。ほかにも、1月のしぶんぎ座流星群、5月・みずがめ座η流星群、8月・ペルセウス座流星群、10月・オリオン座流星群、11月・しし座流星群、12月・ふたご座流星群などがあります。名前は、流星がそのあたりから飛び出してくるように見える星座の方向からつけられています。
(*注3) 曇り空の日は、各地のLIVEカメラ (YouTubeなど)で夜空を見ることもできます。自分の空ではなくても、だれかが見上げている空です。空を見上げることを思い出させてくれる、もう一つの窓です。冒頭の挿絵は、ハワイ・マウナケアに設置された国立天文台すばる望遠鏡の東向きLIVEカメラ映像(Meteor shower and Mauna Kea east-view livestream from the Subaru Telescope, NAOJ, Hawaii)で見えた流星のスクリーンショットです。
