The other way around.(反対むきに)
ドラえもん:のびちゃんさ、リンゴの皮、ぜんぶきれいにむける?
のびた:むけるよ。それが?
ド:むいた後、どうなっている?
の:おいしそうなリンゴが待っている!
ド:実のほうじゃなくて、皮は?
の:皮?
ド:そう。どうなっている?
の:くるくるまいてる。
ド:よく見たことある?
の:ないなぁ。皮は捨てるもんでしょ?
ド:不思議なことがあるんだよ。
の:え?どんな?
ド:のびちゃんは右利きだよね?
の:そう。右手にナイフ、左手にリンゴ。
ド:どうやってむいている?
の:ナイフでくるくるとまわしながら。
ド:ほんと?ナイフがまわっているの?
の:あ、そうか。左手のほうをくるくるまわしてるんだね。
ド:そう。右手のナイフは動かさないよね?
の:それでくるくるとしていくうちに、皮がむけるってわけ。
ド:皮は右向き、時計回りみたいに?
の:そうだよ。
ド:ずっと最後まで向いたら?
の:そのまま右巻きで進んでいくよ。
ド:で、どうなる?
の:皮のくるくる巻きができるよ。
ド:ほんと?
Give it a try.(やってみよう)
の:あ、はじめは右回りだったのに。
ド:さいごは左まわりになっている!
の:ほんと、不思議だなぁ。
ド:ずっと左手を左向きにまわしていたんでしょ。
の:そう。それなのに、皮はこんな形になっちゃう。
ド:なんでかな?
の:うーん。向きが変わったんだよ、途中で。
ド:のびちゃんは何も変えていないのにね。
の:左まわりにくるくるしていたのが、反対向きになっていた。。
ド:不思議に思えることが不思議だよね。
の:それ、どういうこと?
ド:自然にそうなるのに、変だなって感じるのも変じゃない?
の:自然にそうなる、ってところがピンとこないなあ。
ド:ふだん、リンゴを上から見ているからさ。
の:だって、皮をむく時はいつだってそうだよ。
ド:そう。いつも上から見ることに慣れてるんだ。
の:下から見たら?
ド:やってごらんよ。下から見たら、反対巻きになる。
の:なるほど。
ド:おもしろいでしょ。
の:うん、おもしろいけどさ、何かの役に立つの?
ド:楽しむっていう役にたったでしょ。
の:それだけ?
ド:何の役にだって立つよ。
の:どういう意味?
ド:反対側から見れば「気づく」ってこと。
反対側から見てみると、ふだん、じぶんが決まった見方をしていたことがわかります。
いえ、というより、反対側から見て、はじめてわかるのです。
「見方を変えよう」と思っても、見方は変わりません。
なぜなら、その見方自体が固定されていて、何かのきっかけなしには、気づきようがないからです。
皮を捨てるまえに、よく観察してみると、わかります。
むいたリンゴの皮のくるくるに、じぶんの姿が映っています。
想像してみるだけで、ちがいますよ。
「アメンボで想像のプラクティス」に、もっと簡単な実験があります。
You can always imagine.(いつだって想像できる)
「Try it the other way around ② さかさまに