習慣化には作法が必須
チャールズ・ドゥヒッグさんは、このように説明します。
「習慣をつくる3つの要素は、合図(きっかけ)・ルーティン・ほうびである。」
① はじまりを促す合図
たとえば「明日朝、ジョギングしよう」と思えば、ベッドの脇にランニングシューズを置いておく、など。
② その合図で、いつもとおなじように行動(ルーティン)がはじまり、結果がえられること。
③ その結果を確認するかのように、ほうびをあげること。
行動が、図のようなループになることが、習慣だというのです。
なぜかというと:
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合図になるものがないと、忘れてしまう
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ルーティンがないと、途切れて続かなくなる
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実感するものがないと、次に続かなくなる
ルーティンとは、いつもおなじ手続きですることです。
つまり定型の「作法」をもつことです。
ルーティンの語源は、ルート(Route) =道とおなじで、「いつも通る道」からきました。
毎日すること(日課)をパターン化して、やりやすくなるということです。
Rewardは、報酬、ほうびということですが、行動のあとで、じぶん自身にむけて、実感できるようにすること、それをループに組み込むことだというのです。
プラクティスをやりやすくする
フォッグさんは、ある時点で行動がおきるかどうかを、下の絵のようなモデルで、こう説明します。
「動機、能力、きっかけ」の3要素。
動機の強さか、やりやすさか、それを助けてくれるもの。この3つのかけ算である、と。
能力とは、じぶんの力だけではありません。その行為がやりやすいか、やりにくいかです。
複雑なことはやりづらくなります。
したがって、行動を「小さくかみくだくこと」だというのです。
ふだん、する内容のむずかしさに目を向けそうですが、まず、環境をやりやすくすることも大いに関係しているのです。
ドゥヒッグさんの話、フォッグさんの話、いずれも人間の心理と行動を科学的に研究して実証されている結果です。
ただ、なるほどなと思って、この表をながめていても、じぶんの習慣はつくれません。
やってみましょう。
エンパシームは、具体的な身体行為の単位、作法をきめ、そのガイドとなる手伝いを組み込んだメソッドです。
基本的な考え方は、ミニマル・シンプルです。
ミニマルとは、プラクティスをしづらくする要因をできるだけへらすことです。
そして、4つのSのことばに代表されるように、やさしく、小さく、みじかく、ゆとりをもってすることです。
- Simple (かんたんな作法をひとつだけに限定して)
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Small (プラクティスは、小さな身体行為にかみくだいて)
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Short(短いじかん、集中して、いっぺんにたくさんしない)
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Slow (ひと息の間をいれるように、ゆとりをもって。あせってしない)
じつは、習慣づくりについて、専門家でも言ってくれないことがあります。それは、別のエンパレットに紹介していきます。
でも、まずは「おなじ時間、おなじ場所、おなじ作法」で、シンプル・ミニマルにやってみることから。
冒頭の写真のように、まずは身のまわりの「手入れ」をすることから、はじめてみましょう。
すべての習慣づくりに共通することです。
Make it simple.
Keep it minimal.
出典・参照:Charles Duhigg 『The Power of Habits』、BJ. Foggs 『Tiny Habits』