ならう心得 / 06.リズムをまねよ / リズムをまねよ

リズムをまねよ

英語の「認知スキーマ」(音と意味の認知処理・運動感覚) を「英語耳」と呼び、日本語の認知スキーマ「日本語耳」と対比させて、スキーマギャップを減らすことがプラクティスの目的です。

身につけている日本語耳は失われません。英語耳を獲得するとは、英語の認知スキーマを新たに身につけ、日本語耳を発動させずに、そのモードを自在に使えるようになることです。

音の認知スキーマの中心にあるのはリズムです。リズムは決してオマケではありません。それは時間の身体感覚 (0.1秒の繊細なタイミング感覚) であり、ことばを出し入れするための受け皿です。

ことばは単語ではなく、セリフ単位でやりとりされます。リズムがセリフ全体感を形づくり、音の長短・強弱を自然に生み出します。このリズムを脳内で再現できることが、聞く・話す力の土台になります。

英語の日常会話の9割以上は、2秒以内の短いセリフで成り立っています。セリフ全体のリズム感が先にあり、その流れに沿って、音節 (音のまとまりの最小単位) の長短や強弱が自然に現れます。

リズムがあるからこそ、弱く短い音節と長く強い音節が交互に現れ、メリハリのある調子が生まれます。このリズムなしに自然な会話は成り立ちません。

一方、日本語は音と文字(かな)が一体化しており、カナモジひとつひとつを等しい拍(モーラ)で処理するため、積み上げ式になりがちです。

英語のセリフは、その半分以上が日本語のかな音よりも短い音で占められているため、日本語耳のままだと英語の音の大半を聞き漏らすことになります。文字を読む日本語耳の発話では、リズムのズレが積み重なり、それが発音にも大きく影響します。

セリフのリズムを無視して、単語の発音練習だけを繰り返しても意味がありません。リズムこそが英語耳の土台です。大切なのは、セリフ全体の流れに耳をすまし、自分のリズムのズレに気づくことです。

自己流の練習が大きな妨げになります。そのためには文字に頼らず、まずはセリフ全体のリズム感をまねることです。リズムをまねることは、セリフ全体感を似せることです。

Speech is rhythm replication.
(メリハリの リズムでまねよ 声セリフ)