The smallest time unit for life.(人生の最小時間単位)
人生は何でできていますか?
いろんな出来事。
さまざまな思い。
じぶんのふるまい。
答え方は無数にありますね。
でも、ひとつ、共通なことがあります。
それは、どれも一瞬のできごとがつながってできていることです。
では、一瞬ってどれぐらいでしょう?
瞬という字は、
まばだきの時間。
1回のまばたきは、0.1-0.2秒ぐらいです。
瞬きは、無意識の動きです。
4ー5秒ごとに1回。
呼吸の間隔とおなじぐらいですね。
ひとつの瞬間の前後が数秒ある、と考えてみることもできます。
では、1秒間にどれぐらいのことができるでしょうか?
たとえば、運動の例で見てみると:
100メートルを10秒で走るランナーは、1秒で10メートル走っています。
歩幅が2メートル、全部で50歩。(*注1)
1秒間に5歩という計算になります。
ドラムスを叩く人は、1秒に6-7打。
キーボードをたたく時間は、速い人だと1秒間に、アルファベット7-8文字。
その半分のスピードだと3-4文字。
人間の身体の中では指の動きがいちばん速いと言われます。
いえ、実はもっと速い動きがひとつあります。
それは、声帯です。
声をつくる振動は、1秒間に数100回です。
もちろん、無意識の領域です。
How short is a moment?(一瞬はどれぐらい短い?)
身体の動きは、単発に起きるのではありません。
走ったり、演奏したりする、「ふるまいの連続」の中にあります。
ふるまい全体の一部を切り取って測った数字(秒で割る)は、速さの目安になります。
が、何が意識できる範囲の一瞬かがわかりません。
一瞬だった、ということが感じられるためには、その瞬間が脳の働きとして記憶に留めておけなければなりません。
それは、大体0.1秒ぐらいです。
0.1秒(100ミリ秒)とは:
・人間が聞き分けられる音のまとまりが、100ミリ秒。(*注2)
・脳の神経細胞の発火パターンの保持して意識するのに必要な時間、100ミリ秒。(*注3)
・英語の日常会話で、最もよく使われる単語の音素ひとつ(it, to, a, the, you)が100ミリ秒。(*注4)
ざっくり言うと、一瞬は、0.1秒。
その一瞬が入っている、ひとまとまりの行為は?
それは、発話するセリフです。
ひとつのセリフは、呼気(吐く息)にのって紡ぎ出されます。
その時間は、大体2秒。
1秒より長く、2秒より短いセリフが最も多いのです。
一瞬を取り出して意識できる境界線は、2秒という発話行為の中にあります。
出典・参照:以下のエンパレットなど
(*注1)Math for Sprinters – Step Frequency and Stride Length
(*注2)(*注4)ことばを身につける ⑤ 「ほんの3分で変化が生まれる」
(*注3)オリバーサックス『意識の川をゆく』(知覚瞬間について)