会社概要/ミッション

エンパシーム: ことばの力を活かす

人間の最大の力は、ことばを使う行為にあります。文字に書かれた情報も、本来「聞く・話す」という行為と結びつき、それぞれの背景や状況に応じて意味を持ちます。

何と言ったかよりも、何がどのように聞こえ、どのように伝わり、あるいはなぜ伝わらなかったか、といった発話の背景や状況(コンテクスト)に、大きな意味があります。

エンパシームは、ことばを使う行為と共に、ことばの前後・周辺、内部に広がるコンテクストを捉え、ユーザーに直接役立つフィードバックや、意味のあるコンテンツを生成するプラットフォームです。

シリコンバレーにおける長年の研究開発とデータサイエンス実証に基づく発明と、特許テクノロジー(Empathetic Practicing Aid)を活かし、気づきと自己の成長を促すプラクティスのしくみを提供します。

ことばの意味は、コンテクストがつくる

ことばは、単なる字面の意味にとどまらず、発話の前後や内部に広がる状況(コンテクスト)と深く結びついています。

ことばを取り巻くコンテクストとは?
• 発話の前:文化、習慣、経験、動機、経緯など
• 発話の中:周囲環境、姿勢、動作、表情、声のリズム・速度・発音・抑揚など、自動的・無意識的に生じる状況
• 発話の後:実感、継続、蓄積、変化、傾向など

このように、発話ひとつひとつに異なる背景や状況が伴います。 しかし、そうした文脈を抜きにした文字のやりとりでは、ことば本来の意味や大切な情報が削ぎ落とされてしまいます。エンパシームは、こうした目に見えにくい「ことばに備わるコンテクスト」 を統一的に捉え、認識・共有できるしくみを提供します。

気づきを促し、変化へとみちびく

エンパシームを利用することで、ユーザーは自身の発話内のコンテクストを捉え、気づきを得ることができます。ことばは、脳の高速な認知処理と記憶の働きであり、同時に、身体の繊細な運動感覚でもあります。しかし、発話のプロセスは無意識的であり、自身で直接見ることができません。

そこで、エンパシームは発話音声や状況を視覚化し、直感的なフィードバックを提供することで、ユーザーが自身のプラクティスをふり返り、期待する成果へ導くプラクティスの質を高められるようにします。

統一されたプラクティスの指標を通じてデータが蓄積され、それに基づきユーザーにとって意味のあるコンテンツが生成されます。これにより、プラクティスの継続力が強化されます。プラクティスの継続につれ、自身のふるまいを捉え直し、気づきを得る「メタ認知」の働きが促進され、スキルを向上させ、センスを磨くことができます。

こうして生まれたデータは、個々のユーザーにとっての成長の糧となるだけでなく、ユーザーを支える周囲や社会にとっても価値のある資産となります。

共感的なAIと人が協働する世界

現在のAIは、文字情報に依存しており、ユーザーの実際の行為や状況を的確に捉えることに限界があります。エンパシームは、この限界を克服するために、AIフレームワーク 「Empathy Interface」 を提供します。

これにより、言語化がむずかしい 「暗黙的な行為」 や 「無意識的な状況」 を統合的に捉え、適応的なフィードバックとコンテンツの提供を可能にします。さらに、蓄積されるプラクティスデータによって、AIとユーザーと互いに働きかけや合図のやりとりをし、それに応じてコンテクストを創出・共有していきます。

互いの力を引き出し、力をあわせることによって「共感的なAI」が人と協働する世界が築かれます。

エンパシームによる「プラクティス」サービス

プラクティスを積み重ねる道ートレイル

英語耳°トレイルは、単なる教材・アプリではなく、プラクティスそのものを身につけるトレイル (道筋・足跡・つながり)を提供するプラットフォームです。

トレイルー3つの特徴

① 道筋/道標
全体像が常にわかる(出発/継続のコンテクスト創出)
練習するユニット、テーマ、セリフ数、場面数、平易度、現実の遭遇率など、定量化されたプラクティス体系。歩むプラクティスの道のりが明確になります。

② 足跡
じぶんの進捗/成果がわかる(上達/継続のコンテクスト創出)
じぶんのプラクティスをふり返ることで、上達の実感、気づき、意欲が生まれます。また、プラクティスの軌跡が統計データとして未来への資産になります。

③ つながり
周囲・仲間と共に歩める(意欲/支えのコンテクスト創出)
共に歩む仲間、教える人、見守る人の存在が継続の支えとなります。ユーザー個別に意味のあるフィードバックやアドバイスを得て学びを深められます。

成果を導く「原因」をつくる

Phonological and Kinesthetic Capacity for English

ことばの習得原理は、手本をまねて再現できることです。母語では、親の発話をまねて、認知処理・記憶・運動感覚を身につけ、瞬時に消える音を再現する力を養います。これが言語使用に不可欠な基礎であり、外国語でも原理は同じです。

ところが、外国語学習はその基礎練習をしないまま、文字による単語の記憶に終始することが多く、そもそも音の認知・記憶が困難な環境にあります。外国語の習得には、ネイティブとの認知処理ギャップを減らす必要があります。が、そのギャップは、コンマ数秒の音やリズムのズレであるため、学習者自身がひとりで気づき、修正することは簡単ではありません。さらに、文字に依存した学習では、自己流のクセが固定し、ギャップが縮まりません。

英語耳°トレイルでは、ネイティブの音声とじぶんの音声を視覚化し、セリフの平易度とまねられる再現度と聞き取り度を測定します。まねて言える度合いは、音を聞き取れる度合いと比例します。さらに、期待する成果を導く「原因」となるような、プラクティス度(質と量)も測定し、データと共に上達のプロセスを視覚化します。プラクティスの共通指標を活用し、ユーザーに必要なコンテンツ提供、着実な上達の道筋をつくることで、学習者が成果を実感し、継続の意欲を生み出せる環境をつくります。

音の認知・記憶・運動感覚を育てる「リズムミラー」

リズムミラーは、発話の声音を動的に捉え、視覚化する特許技術です。「聞く」「思い出す」といった、目には見えない、じぶん自身の脳内のプロセスを視覚化し、その働きを実感できます。従来の波形や声紋分析とは異なり、音の流れや細やかな変化をリアルタイムに捉え、発話に内在する個人のコンテクストを反映したフィードバックを提供します。

① 発話セリフの視覚化(構造、動的特徴)
・セリフ全体の流れ、音の区切れ、音の長短/強弱など
・リズム、間、抑揚、スピードなど

② 認知プロセスの視覚化(パラ言語・認知情報)
・音のパターン、音と場面イメージの結びつき
・筋肉運動の速さ、記憶の働き、処理スピード

③ ユーザーのコンテクストの視覚化(非言語情報)
・プラクティスの継続性/一貫性
・落ち着きの度合い、周囲の環境
・発話のクセ、文字依存度

ユーザーは、自身の発話と手本を比較し、ズレを直感的に把握しながら修正できます。また、上達の過程をふりかえることで、メタ認知が促進されます。

成果(変化)のカギは、無意識的な自己流のつみへらし

プラクティスの本質は「つみへらし」にあります。つみへらしとは、英語の上達を妨げる要因を、継続的に減らしていくプロセスです。英語と日本語は、音の特徴やリズムが大きく異なります。日本語に特化した耳(脳の認知の仕方と運動感覚)で英語を捉えようとすることが、最も大きな阻害要因となります。

日本語の干渉や文字依存のクセを減らす「つみへらし」を続けることで、英語耳°(英語音の認知・記憶・運動感覚)が高まります。「継続は力なり」と言われますが、大きな成果とは、微細な改善の積み重ねによって生まれるものです。

英語耳°トレイルでは、プラクティスのトレイルを歩む中で、この気づきを得ることで上達を実感できます。「聞こえたらうれしい」「言えたら楽しい」「使えたら自信がわく」——そんな思いが積み重なり、学びが深まっていきます。


坂口立考(さかぐちりっこう)

1963年 福岡県出身。海外在住35年をへて、東京在住。
(メキシコ・スペイン10年、スウェーデン10年、アメリカ15年)

2012年、SomniQ, Inc. (US)、2018年、SomniQ 株式会社 (日本)創立。 Founder & CEO アントレプレナー、

2002-2011年、Sony Ericsson Mobile Communications (スウェーデン)

Executive Vice President & Chief Creation Officer, グローバル全社開発指揮、携帯/スマホ事業責任者 (6億台)

Be the change you wish to see in the world!
このことばを胸に抱き、毎日声に出して心に響かせながら、社会に役立つ「タネ」の研究、開発、発明制作創作著作に取り組んでいます。あわせて、事業推進、セミナー・講演を通じて、学びの原動力を広げ、社会の可能性をひらく活動をしています。

エンパシームの原点

エンパシームの着想は、4歳の時に出会った「魔法の箱」に遡ります。それは、父が家に持ち込んだソニーのテープデッキです。録音した声を初めて耳にした瞬間、「その中にじぶんがいる!」という強烈な感覚が走りました。その記憶は今でも鮮明です。以来、父の仕事の関係で手にした英語のテープを使い、「音をまね、じぶんの声を録音して聞く」という遊びが、私の英語耳の原点であり、「エンパシーム」着想のタネでした。

16歳の時、私はアメリカに留学しました。帰国後、私を待っていたのは、父の突然の病でした。半身不随と構音障害(声が出せない障害)を患い、「声のことば」を失いました。脳は正常でも、声を発することは叶いません。父が他界するまでの長い日々、ひらがな文字盤を使い「手・息・まなざし」を頼りにことばを交わしました。助けたくても助けられない無力感から、次第に「声を見えるようにしたい」という希いが芽生えました。そして、人が声を発する以前のわずかな仕草や、かすかな気配の中にこそ、ことばを超える深い意味が宿っていることに気づいたのです。

その頃、私はソニーに採用され、入社初日に1年間の同時通訳の訓練を命じられました。瞬時の脳の処理力と記憶力が求められる体験で、人間の認知能力の限界を痛感しました。そして、能力を上げるためには、気づかぬうちに失われているエネルギーロスを減らす必要がある、ということに気づきました。

その20年後、私はスマートフォンの開発を指揮していました。テクノロジーは「入力が出力を生む」しくみです。しかし、人は「気づいていないこと」を自ら入力することはできません。また、テクノロジー(コンピュータ)も、明示的な入力がなければ、何かを出力することはできません。これが、人間とテクノロジーの共通する制約でもあります。

では、どうやって「気づいていないじぶんのふるまい」に気づけるのか?これこそが私の探求の原点であり、SomniQ創業のビジョンです。多くの人が「うまくなりたい」と願いながらも、自らのふるまいが上達を拒んでいることに気づけない。だからこそ、じぶんをふりかえり、気づきを促す「鏡」が必要なのです。

ヒントは、病床で父が語った「形端影直」(けいたんえいちょく)ー「形が正しければ、そのまま、影にうつる」ということばにありました。「形(ふるまい)」は「影(データ)」に現れる。しかし、影だけをつくることはできない。このことばの通り、プラクティスするじぶんの姿形を影として映し出すしくみをつくれば、それを利用して助け合える。すべては「コンテクスト」に顕れているのです。

エンパシームのPurpose

同志の石川さんと共に13年、私たちは「本当に鏡のように映し返される方法」を求め、試行錯誤を重ねてきました。単なる比喩の「鏡」ではなく、人間の無意識のふるまいをデータ化し、映し返して気づきを促すしくみをつくる挑戦です。その結実が、プラクティスを助ける「共感的な」しくみ、エンパシーム(Empatheme)です。共感的とは、人間とAIが明示的なやりとりに加え、暗黙的な「プロンプト」(状況を表す合図)を共有できることです。

ことばが生まれる状況を共有しなければ、AIはその人にとって本当に親身に役立つことはできません。また、人間もAIに心を開き、たずねたり、教えたりすることができません。共にふれあい、やりとりできるためのテクノロジーが不可欠です。それを使ってかけがえのない「じぶん」という存在の可能性を広げることこそ、エンパシームのPurposeです。

AIが私たちの代わりに生きるわけではありません。じぶんが「生きている」という状況(コンテクスト)は、かけがえがないのです。それは、たったひとつの発話セリフにも顕れます。一連の発明特許(Empathetic Computing System、Context-Adaptive AI Framework、Speech Visualization Technologyなど)や学術研究(Empatheme Data Collection & Learning System Methodなど)を発展させ、ことばの可能性を広げるプラクティスのプラットフォームを生み出しました。それが、第二言語学習プラットフォーム『英語耳°トレイル』です。
一連の発明特許、 学術論文

Hidenori Ishikawa portrait

石川英憲 (いしかわひでのり)

1970年 広島県出身。
カリフォルニア州パロアルト市在住。
SomniQ CTO
エンジニア、アントレプレナー

2012年SomniQ 設立時より、エンパシームコンセプトを実現するハードウェア、ソフトウェアのプラットフォームの構想、開発、実用化を牽引してきました。エンパシームの特許化、事業化を実現、スマホアプリ「エンパシーム」の商品化、ウェブサイト – エンパシーム・サイト企画・運営を手がけています。また、データアナリティクスのスキルを活かし、エンパシーム・データの分析、活用方法の実例を生み出しています。

活動

現在、エンパシーム技術を応用した英語プログラムの事業化を中心に活動中です。エンパシームデータを用いて英語学習者を支援するプラットフォームの開発を推進し、人の無意識のフチが織りなすエンパシームデータを活用した、新しい学習支援の方法の確立を目指しています。

心理学、脳神経科学、音声学、学び・習慣の科学とエンパシーム技術を融合し、新しい研究領域の開拓を目指します。エンパシームの実証研究を東洋大学と共同で実施し、論文が工学教育誌で採択されるなどの成果を収めました。2023年には、第2言語習得メソッドについて、これまでには取得できなかったデータをエンパシームで取り出し、その分析によって学習者をサポートできる可能性について言及した論文を公開しました。

SomniQ参画以前は、Sony、Sony Ericssonにて15年間、半導体基礎技術から商品応用技術にわたり広範囲の研究・開発、商品導入戦略に従事し、新しい技術、商品を世の中に送り出した経験があります。

世界中の人が、たとえ短い時間でも心の平穏を感じることができるしくみがあれば、平和な世界の実現に繋がる、と私は楽観しています。エンパシームは、その時間を、具体的、現実的に作り出すことができる、ということを実証するため、日々、エンパシームの研究・開発を続けています。

中村浩一郎 (なかむらこういちろう)

1972年 イリノイ州エバンストン生まれ。
カリフォルニア・プレザントン市在住。
(海外在住歴19年。香港1年、中国3年、アメリカ15年)
SomniQ 戦略アドバイザー

「学び続ける個人」「学び続ける組織」の文化の醸成に向けて、公私に亘り活動を続けている。2024年SomniQ, Inc.参画。

活動

この度、米国SomniQの戦略アドバイザーに就任しました。
内なる自分との対話を可能にする新しいコミュニケーションを創る」という創業者の坂口立考さんの壮大なロマンと飽くなき探究心に魅せられたのが参画の理由です。

私はコーチングの手法の一つである「問い」を通じて、自分の内側にある答えを引き出す取り組み(可能性の開花)をこれまで延べ500人のクライアントに向けて行い、支援してきました。

無意識の力を活かし、エンパシームという唯一無二の技術と取り組みを通じて、人びとの学びの原動力を養うというミッションに向けて、立考さん、石川さんらと共に取り組めることを光栄に思います。

社名:SomniQ 株式会社(ソムニック)

本社所在地
〒101-0051 東京都千代田区神田神保町1丁目3 冨山房インターナショナル内(冨山房ビル7F)

代表者:坂口立考(代表取締役 CEO)

設立:2018年1月4日

資本金:100万円

事業内容:学習プラットフォームサービス、コンテンツ制作、テクノロジー研究開発、協働・パートナーシップ

Company Name: SomniQ, Inc.

Incorporation: Delaware C-Corp (Headquartered in California)

Founder & CEO: Rikko Sakaguchi

Business Domain: Learning Platform Services, Content Creation, Technology Research & Development, and Collaborative Partnerships

Founded: November 9, 2012