英語耳° Check-up
Go fot it.Hearing Check-upのフィードバックページです。聞き漏れている音は何ですか?じっくりフォローしてみてください。
聞くとは?
「聞く」という行為は、単に音を耳に入れることではありません。音は発せられると同時に消えてしまうため、一瞬で認知処理し、脳内で再現できる力が必要です。
いま、あなたの脳では、以下のようなことが起きています。
(1) 聞きもれる (所々、音が抜け落ち、ひとつのセリフを完結して再現できない)
(2) 処理しきれない (ワーキングメモリが追いつかず、意味につながらない)
(3) 短期記憶に残らない (さっき聞いたセリフすら思い出せない)
(4) オーバーフロー (セリフが次々と押し寄せ、脳の処理が止まる)
聞き取れない最大の原因は、耳から入ってきた音と頭の中で覚えている音がまったく違うこと——このギャップにあります。文字を読むクセが発動すると、手本のリズム・音とのズレは縮まるどころか固定化し、いくら練習を重ねても上達しない原因になります。
以下、それぞれのセリフについて、聞こえないところ、聞き違うところの典型例をあげます。ふつうのスピードと、半分のスピードで音声を聞いて、まねてみましょう。セリフをまねられる度合いが、聞き取れる度合いに比例します。

Hey, what’s up? How are you doing?
(ねぇ、最近どうしてた?)
半分のスピードで聞いてみてください。そして、セリフをまねてみましょう。

Not much. What about you
(特に何も。君は?)
半分のスピードで聞いて、リズムをまねて言ってみましょう。
Notmuchというひとつのチャンク(かたまり)です。T音は聞こえません。aboutのaがものすごく短いです。

I’m trying to clear out my old books. Can you help?

(古い本を処分したいんだけど、手伝ってくれる?)
- outが聞こえなかった、upに聞こえた
- oldが all に聞こえた
- can you が聞こえなかった
短い音は、それだけを聞き取ろうとしても(短すぎて)聞こえません。セリフでリズムのパターンになれると、聞こえるようになってきます。その第一歩は、おなじようにまねて言ってみることです。スロー再生のリズムでまねてください。

Sure. Why do you want to clear them?

(うん、いいよ。何で処分するの?)
- clear が聞こえなかった
- them が聞こえなかった
スローで聞いて、リズムがまねてください。want to のtoはT音がとろけるぐらい短く。
英語は、まずリズムがあり、その中に音があり、文字やイメージと結びつく、と思ってください。Why、do、you、want 、と単語ひとつひとつの積み上げでは、とても間に合いません。”Why do you wanna”がひとつのまとまりです。

I’ve read them all. I need more space.

(もう全部読んじゃったし、部屋が狭くなったから)
I’ve が I に聞こえた
- I’ve read が聞こえなかった
- them が聞こえなかった
I’ve read の部分が短い(速い)です。音を聞き取るのは、短い音への感覚をつけることと、話の流れをくむことの両方がいります。
どうして処分するの?だって、もう全部読んじゃったから、というやりとりです。them は本棚の本全体を指します。
I need more space.は聞き取れたのではないでしょうか?音が長く強くゆっくりだからです。

So how do you want to do that?
(で、どうやってやるの?)
how do you want to が聞こえなかった?
その場合、あなたがいつも音読しているリズムとのギャップが大きいからです。スローで聞いたリズムをまねて、だんだん早く言ってみましょう。want toのtoが特に短いのです。

Well, I was going to give them to my school.

(学校に寄付しようと思ってたの。)
- was going to が聞こえなかった
- give them が聞こえなかった
- to が聞こえなかった
was gonna / give them がリズムのまとまりです。スローのとおり、まねて、それをだんだん速めて言ってみましょう。ひとつのセリフには、弱く短く速い部分と長く強くゆっくりの箇所が交互に現れます。日本語は同じ長さのカナモジリズムで音を積み上げますが、英語は違います。あなたとの知っているリズムと実際に聞いているリズムの差が大きいとききとれません。

Great. We need to use a cart, right?

(そりゃ名案だね。カートがいるね?)
- We need to use が聞こえなかった
- a cart が a card に聞こえた
- a cart が a carに聞こえた
ゆっくりで聞いても、a carと言っているように聞こえますね?でも、それは a cartのtの音が発音されていないだけで、a cartと言っています。音に慣れて話の流れがつかめると、本を運ぶものがいる、という勘が働くようになります。

Exactly. My dad has one outside.

(そう。パパのが外にあるから。)
- one が聞こえなかった
- one outside が聞こえなかった
外にお父さんの使っているカート(荷台)が一台あるよ、と。one outside とふたつの単語ですが、音のまとまりは ”one outside” です。そこに耳を傾けて聞いて、スローのリズムをまねて、リズムが感じることからです。Exactlyも、よく聞いてみてください。Exaclyのように、T音は省かれて聞こえるはずです。

Sounds like a plan. Let’s get started.

(なるほど。じゃ、さっそく始めよう。)
- Sounds like が聞こえなかった
- get started が聞こえなかった
Sounds like a plan. Let’s get started. はじめてしまおう、というニュアンスの慣用表現です。セリフのまま、リズムとともに身につけることです。

We’ll put them in boxes first.

(まず、箱づめからね。)
- We’ll が We に聞こえた
- We’ll が Will に聞こえた
- in boxes が聞こえなかった
- first が聞こえなかった
本を運ぶ際に箱づめする、という情景です。まず、スローでまねてください。

One step at a time. We’ll get it done.

(順にやろう。すぐ終わらせられるよ。)
- One step が聞こえなかった
- at a time が聞こえなかった
- We’ll が聞こえなかった
- get it done が聞こえなかった
get it done はリズムチャンクです。片付けてしまおう、というイメージが結びつきます。
お気づきになりましたか?
聞き取れない音の大半は、短い音節。
日本語で言えば、「て・に・を・は」にあたる、機能語(まとまりになって意味をなすことば)が大半です。
これらのことばは、ひとつのセリフに必ず入っていると言ってよいほど、頻度が高いため、英語のセリフを聞く時に、かならずどこかに聞き漏れが生じるのです。
日本語耳をもっているあなたにとって、いちばん大切なことは、英語の音をまねることです。
まねられる度合いが、聞き取れる度合い。
演じてまねらえる度合いに比例して、英語が聞き取れるようになります