映画のセリフは聞き取れるようになる
「映画のセリフが聞き取れる」なんて、英語の成績のよい、できる人だけ?ちがいます。音を聞き取れる「英語耳」の練習がいります。それは、英語の試験勉強とはまったくちがいます。
映画 The Call of the Wild(野生の叫び声)の予告動画のセリフを聞いてみましょう。7つのセリフ、ちょうど100音節分です。
(1) 雪は初めてかい
半分の速度で聞いてみましょう。意味をわかろう、とせずに、音に耳を傾けてください。
(2) ふたりなら行けるよ
こちらが、半分の速度です。
(3) だれも行ったことのないところへ
半分のスピードで。
(4) 最高だろう?
半分のスピードで。
(5) あなただけ
半分のスピードで。
(6) どうだい冒険の気分は?
半分のスピードで。
(7) よく眠ってたね
半分のスピードで。
「英語は速い」のではなく「英語は短い音が頻出する」
日本語耳は、日本語を聞いてわかるように特化されています。日本語耳を、そのまま英語に使う時、「聞き取れない」問題が起きます。聞き取れないのは、英語では、日本語耳では捉えられない音が半数を占めるからです。
だれのせいでもありません。日本語耳の性能が悪いのではありません。カナモジひとつ(1モーラ)の音の長さは、英語の平均・音節音の長さとおなじです。でも、英語は長い音と短い音の幅が広く、日本語の音よりずっと短い音の頻度が50%以上あるために、それらの短い音が聞こえないのです。日本語を身につける過程で、脳は不要な音(日本語ではない音)を聞き取らないようにするためです。
英語の音は、練習で音を聞き取れるようになります。上達は、「セリフを演じて音をまねる反復回数」と日々の「練習ループの完結率」で決まります。最大の課題は、これまでの英語の学習で「文字に依存して理解する」ことが中心であったため、無意識に、自己流の日本語音で英語の音読をしていることです。つまり、じぶんで「日本語耳」を補強しているのです。このため、実際に聞く音と、じぶんが認知する音のギャップがいつまでも縮まりません。そう、あなたのクセが最大の壁。それされ、取り外して練習すれば、だれでも必ず、練習しただけ、聞こえるようになります。