Seed Pattern Practice (5) What's going on?
英語のセンスは、発想のパターンを身につけることです。日本語とはちがう発想パターンです。続けていくうちに、シードのつながり方、その雰囲気を感じ取れるようになります。
[ニュアンスを日本語で]
はじめに、テクストや、日本語の意味をみないでプラクティス。
なれた後に、雰囲気のイメージを結びつけてみましょう。
*
どうなってるの?わからないなぁ。
わかった、ちゃんとやっとくよ。
**
ひどいわね。何が起きているの?
ま、思うに、チリもつもれば山ってやつさ。
***
状況を共有しましょう。これはやめないといけません。
ちょっと待って。何のこと?
[ツボノート]
What’s going on? の going onには、何かが起きて、進行中という場面で使われます。
それはまず、goは、日本語の「行く」だけでなく、(ものごとや人が)進む、という意味があるからです。
時間的に、何かが進行するイメージ。
on (テーマ36をふりかえってみましょう)は、くっついている、つづいている、という意味。
したがって、go on (続いている)、go on and on (どんどん、いつまでもつづく)というフレーズになるわけです。
ここでの対話では、相手にたずねるセリフですが、what is going on というフレーズを、ひとつのことばと捉えておくと、応用がききます。
what は、the thing that 〜(というもの、ということ)という意味を表すことばです。
I don’t understand what is going on.(事態が把握できない)
Do you remember what was going on? (状況を思い出せる?)
「何が起きているのか」という表現でぴったりくる場合もありますが、日本語では、長くなりがちです。
日本語の会話は、漢字をつかった熟語もおりまぜるのが自然でしょう。
what is going on (=the thing that is going on)は、事態、状況、情勢、なりゆきといったことばがぴったりします。
「英語のセンスを身につける」ことの中心には、「やさしい表現を使いまわせる」ということがあります。小さなこどもが使っていることばを、語り伝えるように使えることです。
日本語の発想は、書きことばで、その文字を思い浮かべつつ、むずかしい単語を使うことが、知識レベルを表すかのようなイメージがありますが、英語の世界ではそのようなことはありません。
もちろん、どの分野のことにも、専門の用語は使われます。が、それはやさしいことばが使われないという意味ではありません。
大統領のスピーチであれ、会社業務のコミュニケーションであれ、論説の文章であれ、やさしいことばを組み立てることが、かきことばでも、話しことばでも、中心的なことなのです。
たとえば、こんなセリフがあったとします。
ただちに現状を報告してくれ。
世界情勢はどうなっているのか?
英語のシードにしてみましょう。
すると、現状とか、報告とか、世界情勢といった単語を訳そうとしますよね。
英作文のテストなら、考える時間があるかもしれませんが、日常の会話では、一瞬のことですから間に合いません。
単語を変換するという発想だけでは、英語を使える方法にはならないのです。
よく、日本語でも言うように、むずかしくしない、平たく入ってみることです。
Let me know what’s going right now.
What’s going on in the world?
「ただいま原因を究明中です。」→ We are checking what went wrong.
こうしたセリフを身につけることで、situationとかcircumstanceとか、environmentといったことばも、結びつきやすくなり、学習がぐっと楽になってくるのです。