Seed Pattern Practice (1) I'm good.
[プラクティスのポイント]
全部を正確に思い出すことではなくて、セリフとイメージのつながりをつけていくことがプラクティスです。挿絵の、身振り手振りの空間イメージを思い出してみましょう。
「ゆだねるプラクティス」は、一字一句おなじように言わなくてもかまいません。思い出せない場合もあるでしょう。
まず、カードのタイトルシードを言ってみましょう。あとでminiプラを見直してみると、あーこれだったな、と思い出します。
うまくいかない体験もまた、プラクティスなのです。そのようにして、じぶんからアウトプットし、それをくりかえすことで、セリフのつながり感、情景イメージが定着していきます。
英語のセンスは、発想のパターンを身につけることです。日本語とはちがう発想パターンです。続けていくうちに、シードのつながり方、その雰囲気を感じ取れるようになります。
[ニュアンスを日本語で]
はじめに、テクストや、日本語の意味をみないでプラクティス。
なれた後に、雰囲気のイメージを結びつけてみましょう。
*
だいじょうぶ?忙しそうだけど。
うん、もちろん。元気だよ。
**
どうかしたの?だいじょうぶ?
うん。調子いいよ。何でそう聞いたの?
***
こちらに入らない?
だいじょうぶ。また、あとでね。
[ツボノート]
ひとつめに、goodという単語は、日本語の中にも溶け込んでいます。が、意外に「good=よい、bad =悪い」という対応しか思い浮かばないのでは?
goodは、善悪のことではなく、また、I’m good. は「よい人」という意味ではありません。調子がいい、元気だというあいさつのことばとして頻繁に使われます。その根本的な意味(そのことばによって感じ取れる状況)は、なにかの基準に照らして「あっている」「ふさわしい」ということです。
I’m good. というセリフは、じぶんの基準を満たしている、調子はいい、というニュアンスがあるわけです。もちろん、それは「暗黙の形式」で、とくに意識されることもありません。
じぶん自身で感じ取っている体調や、状況把握を、ひとことでまず言ってみるわけです。
次のパターンは、結構です、という断りの意味です。日本語でも、いかがですか?と言われて「大丈夫です」と答えることがありますね。状況はおなじです。それをしなくても、大丈夫、じぶんの基準にあっているから、いらない、という論理なのです。
いくつか例をあげましょう。「はい、できました」と何かを提出した時に、おそらくは、Ok, good. といった返事がかえってくるでしょう。この goodも「よい・わるい」という漠然とした話ではなく、提出するという行為が、その場の基準(ルール)に合っているから、It’s good.という表現になるわけです。
You are good to go. (もう、行っていいですよ)という表現があります。もう用事はすんだので、いって大丈夫ですよ、という場面。
He is good. といえば、どうでしょうか?彼は何かがうまいのもしれませんし、元気なのかもしれません。場面状況次第です。候補者選びをしている会話なら、He is good. 彼はぴったりといったニュアンスにもなります。I’m good. とちがうのは、話者(じぶん)のことではないので、状況からそのように述べているセリフだというところです。
英語の発想の根本は、場や動作をどのように捉えたことばを使うか、それがしぜんに出てくるか、ということです。言語のちがいは、場の捉え方のちがいです。goodに1:1でぴったりとする日本語の単語は意外にありません。その場を表現するイメージをもって、くりかえしプラクティスすることで、ことばがなじんできます。
なお、I’m fine. という表現も、大丈夫です、と断る時のセリフとしてよく使われます。That’s fine. といえば、そのままでよい、それで十分といった意味。
How are you doing? と聞かれて、I’m fine. とこたえることもありますが、どちらかというと、特にこれといって気持ちを込めているわけでもない、社交上の表現というかんじがします。