③ 強弱のリズムから
日本語を身につけている私たちは、英語をカナモジ式の音やリズムで聞いたり、読んだりすることに慣れています。カナモジ音で定着した英単語が、日本語には数え切れないくらいたくさんあるからです。
実は、カナモジの音やリズムが、英語の声セリフをよく聞いてまねようとする時の障害になっています。例えば、What are you doing? を、ホワット・アー・ユー・ドゥーイング、とカナモジ式の音とリズムで、読んでしまうため、実際の英語を聞く時に、じぶんが知っているつもりの音とのギャップがより大きくなり、「聞き取れない」という現象が起こるのです。
英語は、吐く息で音に強弱のリズムをつけて話します。声セリフには、かならず、弱く短い音のまとまりと、強く長い音のまとまりが、交互に現れ、リズムをつくります。これが英語の大きな特徴です。
カナモジ式を身につけている私たちにとって「英語は速くて聞き取れない」「長くて一度に言えない」のは、このリズムになじみがないからです。単語の細かい発音以前に、メリハリのあるリズムで身体動作をプラクティスする必要があります。声セリフを出すときは、顔をあげ、文字を読まずに、ひと息でだすこと。正しく読もうと意識せず、リズムにあわせることからです。