確かめる心得 / 16.毎日の一行を証とせよ / 毎日の一行を証とせよ

毎日の一行を証とせよ

「何に気づかされたか?」とじぶんに問う行為が、今日のプラクティスをふりかえる核心です。一行に集約された一文が、あなたのプラクティスの証です。

この一行は、練習の見出しであり、またジャーナル(日記)でもあります。あなたの内側から取り出すことで、心を整えることができます。この時、内なる力(Self-Agency)が自然に発揮され、自助力が醸成されます。あなたの心の「なりたいじぶん」も整えられます。

ここで大切なのは、「今日はむずかしかった」などの一言で済ませないことです。「むずかしい」という自己判断を書くと、いつしか「できなくてよい」という論理を脳がつくりだしてしまいます。また、「まあまあできた」ということばは、何も書いていないのと同じです。

人間の脳はエネルギーを節約するために、気づかぬうちに、すぐ「めんどうくさい」 という惰性スキーマに流されます。それは脳のクセ(制約)なので、それを克服する方法がいります。一行の整流化は、惰性スキーマをその都度乗り越えます。
めんどうくさいからこそ、一行に集約して書くのです。答えを探そうとするのではありません。じぶんに問いかける (Ask yourself) のです。

「私は何に気づいたか?」「なぜ、声が違って聞こえるのだろう?」「なぜ、じぶんの声は焦っているように感じるのか?」問いを立てることで、自然に書くことが生まれます。

演じ方が不十分なら、習うだけでなく出し入れの回数が足りていないのかもしれません。ウォームアップ不足で緊張しているのかもしれません。そんな思いが浮かび上がるでしょう。

古来の英知は、私たちの学びの手本です。

「知行合一」(行いによってはじめて知となる)
「修証一如」(証があってはじめて修行になる)といった教えがあります。

この一行を書く行為は、その叡智をシンプルに、具体的に活かす方法です。

一行を書く。それは、クセや思い込みを減らし、スキーマのギャップを少しずつ埋めていく行為です。小さな引き算の積み重ねが、やがて大きな変化につながります。

たった一行。1分かけて書いてください。その一行が、あなたの未来をつくります。ここでケチることほど、もったいないことはありません。

Capture your insight in a clear headline..
(気づかされ 日々の一行 証なり)