Seed Pattern Practice (21) Keep trying.
[プラクティスのポイント]
全部を正確に思い出すことではなくて、セリフとイメージのつながりをつけていくことがプラクティスです。挿絵の、身振り手振りの空間イメージを思い出してみましょう。
「ゆだねるプラクティス」は、一字一句おなじように言わなくてもかまいません。思い出せない場合もあるでしょう。
まず、カードのタイトルシードを言ってみましょう。あとでminiプラを見直してみると、あーこれだったな、と思い出します。
うまくいかない体験もまた、プラクティスなのです。そのようにして、じぶんからアウトプットし、それをくりかえすことで、セリフのつながり感、情景イメージが定着していきます。
英語のセンスは、発想のパターンを身につけることです。日本語とはちがう発想パターンです。続けていくうちに、シードのつながり方、その雰囲気を感じ取れるようになります。
[ニュアンスを日本語で]
はじめに、テクストや、日本語の意味をみないでプラクティス。
なれた後に、雰囲気のイメージを結びつけてみましょう。
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いきづまってるの。どうしたらいい?
続けことだよ。あきらめずに。
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がんばって。慣れることが大事。
それだけ?わかった。またやってみる。
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英語の基礎を身につけるいちばんいい方法って?
続けることさ。続きさえすれば、必ずうまくなるから。
[ツボノート]
続けること。相手をはげますことばです。「続けていけば、きっとうまくなる、いいことがあるよ」という気持ちがニュアンスとして伝わります。特別なことばではなくても、思いが伝わるのです。
Keep trying.の後には、「なぜそのように言うかというとね、続けていればきっといいことがあるからだよ」という気持ちが、暗黙のうちに込められています。日本語でもそのようなニュアンスが現れる場面があるでしょう。英語の発想は、その気持ちを何となくではなく、しっかりと相手に伝わるように語りかけるところです。
パターン(3)も、添えることばは「なぜそのように言うかと言うと」という論理展開です。ひと息で発する Seedは、ひとこと言って、もうひとこと添えるパターンが大半といってもよいぐらい、頻繁にあります。あえて理由を述べる、と言わなくても、発話の論理になっているのです。これが英語のスキーマ(英語の発想で、相手に語りかける)の例です。論理展開ということばを使いましたが、意識して考えないでも、そのようにふるまうことに慣れ親しんでいる、身についているということなのです。
つまり、センスとは「考えないでもしぜんに身のこなしができる」ということです。暗黙の論理のような、流れを感覚的に、肌身で身につけている、ということ。これは、イメージをわかせるプラクティス、じぶんから相手に語る、というプラクティスによって、かなりできるようになります。うまくできないのは、慣れていないからです。思い出すこと以上に、相手にことばを語る姿勢、身のこなしの感覚が本質にあるのです。そして、それは、そのつもりになってプラクティスすることで克服できます。
なお、Keep trying.は、日本語の「がんばって」という応援のことばでもぴったりくる場面があります。応援するということは、相手がすでに何かに打ち込んでいる、続けていることが暗黙の前提になっていますから、Keep trying.は「努力を継続せよ」とするよりも、「がんばって」のほうがフィットします。
tryということばも、試す、努力する、といった意味がありますが、とても日常的なことばです。Try it.といえば、やってごらん、食べてみなよ、という意味です。Keep tryingは、今していることを続ける、ということなのです。Keep going. もほぼおなじように使われます。