セリフで想像練習

絵本は「いいセリフ」の宝庫です。
イメージとあわせて「使えるセリフ」を練習できます。

モーリス・センダックの『Where the wild things are』は、長く親しまれてきた絵本です。

この絵本をめぐって、ふたりの間で交わされる会話。

Where the Wild things are.

Right. I’lI love that picture book.

モンスターのいるところ。
あの絵本、好きだなあ。

Wild thingsとは、正体がわからないもの、遭遇したことのない、未知のこと。
この絵本は『怪獣のいるところ』という邦題がついています。
が、いわゆる怪獣ではなくて、愛嬌のあるモンスターに出会って不思議な体験をする話です。
興味がある方は、こちらのストーリー『未知に出会うには?』をどうぞ。

ところで、ひとつ前のセリフのやりとりを見てください。
これは、おなじ絵本から取ったものです。

Weird things happen.

Yeah, they happen to almost all of us.

変なことがおきるもんだ。
ほとんど誰にでも、おかしなことが起きるものだよ。

weirdは、「変な」という日本語があてはまりますが、自分の知らないこと、わからないことなどをさしています。
「お化けが怖い」という意味ではなくて、得体がしれないから、腑に落ちないから、未知だから「変な」という意味です。
このことばひとつで、否定的な意味になるのではありません。

おかしなこと、不思議なことはあるもんだね、という語りかけに対して、同意しています。
じぶんの体験を思い浮かべながら、そうだよね、誰にもあるよね、と。

ふたりの会話。

Any idea about the thing we talked about?

Well, the thing is, I haven’t seen it yet.

例のものについて、何かアイディアない?
あの、実はまだ見たことがないのよ。

男性は、女性のアイディアを期待していたのですが、
女性は、まだ、何もしていなかった、という場面。

the thing is は、「あ、ごめんに、実はね」というニュアンスを表しています。

干からびていますね。

We’ll end up with nothing.

That’s the last thing we want.

ムダに終わるよ。
それは最も避けたいことだ。

end up with 〜という表現は、最後はそれになる、そうなってしまう、結局〜にいたる、という意味。
お金や時間をかけて色々やったことが、結局ムダになる、と言っています。

この絵は、想像上の風景かもしれませんし、
実際にふたりで何かのシーンを動画などで見ているのかもしれません。

That’s the last thingは、それだけは〜しない、という強い気持ちを表現する決まり文句です。
おなじような表現がいろいろ作れます。

たとえば、That’s the last thing you want to know.
(それだけはきみが聞きたくないっていう話だよ)

ことばの本質は、相手のセリフを想像することです。
相手が声で紡ぎ出したセリフから、話を想像するのですから。

ということは?
英語を学ぶこと、英語耳を育むこと、
それは、セリフを通して「想像練習」をすることです。

Let’s check!

絵本は、いいことばの宝庫

ことばの本質は、相手のセリフを想像すること

セリフを通した「想像練習」が、英語耳を育む