はじめに「やわらぐ作法」

「作法」ということばを聞いて、かたくなったり、構えたりする、まったく必要はありません。

作法というと、お茶の作法、坐禅の作法など、礼儀やマナー、古くからの決まり事のイメージでしょうか。作法とは呼ばなくても、パスやキャッチボールなど、運動でも、料理の手順、楽器や道具の使用などでも、ほとんどの物事には、基本的な所作、大切なルールがあります。それらはみな、作法です。

作法とは、つくる方法です。メソッドということばは、路にそって行なう方法という意味です。作法とよんでもメソッドともよんでも構いません。何をつくるかというと、ある姿勢、状態をつくります。そのような場になるように「じぶんをしむける」かんじです。

すべての作法に共通することは、それが「身体作法」つまり、身体のふるまいで覚えることです。その手順で反復することで、無意識にできるようになります。 それが「身につく」という意味です。いったん身につくと、考えずにできるようになります。

エンパシームのメソッドとは、エンパシームをおこし、それを写し、それをさらに活かすためのメソッドです。そのいちばんはじめ、基本形として作法[ や ] があります。

[ や ] は、「やわらぐ」の「や」です。和語ひらがなの「や」、やさしい、やすらか、やわらぐ響き、イメージのとおり、そのような気分、雰囲気を想像します。何かを頭で考えるのではなくて、身体の力を抜いてリラックスすること、無理せず自然に、じぶんの[ いま ] の空気を和らげるのです。

ひとり、静かに、坐り、やわらぐだけ。

「たなと」を手にとり、テーブルに戻すまでの、ひとときの時間が、やわらぐ[ いま ] になります。