人間の心全体が
妖怪の幻灯仕掛けにできておりますから
ちょっと心の灯を点じても
ただちにいろいろの妖怪があらわれてきます。
ゆえに、社会万般の現象は
大抵みな妖怪の現象と申しても差し支えありますまい。

現代語で言うと

人間の心全体が、
妖怪の幻灯機のようなものですから、
少しだけ心にあかりを灯しても、
ただちに色々の妖怪が現れてきます。
ゆえに、世の中の多くの現象は、
おおよそすべてが妖怪の現象といってもよいでしょう。

※チベットの古い諺に、「人は、精神という荒馬を乗りこなすために生まれてきた」とある。すなわち、精神は借りもので、乗り手の意志(意識)だけが私のものであるということである。

出典:「おばけの正体」・第一三〇項