先年来、自ら妖怪学を研究して
一層この不思議の妙味を感ずるようになり
爾来、妖怪を神のごとく崇め奉りて喜んでおります。

現代語で言うと

以前から、自ら(円了は)妖怪学を研究して、
ますますこの不思議なものに面白さを感じるようになり、
それ以来、妖怪を神様のように崇め奉って喜んでいます。

※博物学者の南方熊楠(1867‐1941)の「事の学」とは、まず、熊楠自身の神秘的な体験を含んだ不思議な現象をひとつの事実とみなし、体系的に整理するのである。そして次に、種々雑多な事実を集め、そこから新たな学問や世界観を創り上げようとするものである。円了の「妖怪学」と熊楠の「事の学」は共通点が多々あるといえる。

出典:「霊魂不滅論」・第二三回