世間一般の妖怪は
一面は物理の上より説明せられ
一面は心理的精神作用に帰するものにして
研究の結果、帰着点は奈辺にあるかといえば
ついに吾人の精神の妙用なることを感ずるのみ。

現代語で言うと

世間一般の妖怪は、
一方では、物理学で説明でき、
もう一方では、心理的精神作用から生まれるもので、
妖怪研究の結果、帰着点がどのあたりにあるかというと、
結局は、人間の精神の不思議な作用のみということではなかろうか。

※『妖怪学』「妖怪学は狭くこれを言えば心理学の応用学にして、広くこれを言えば百科諸学の応用学なり、しかして予が講述する所も心理学を牙城とし、理学を前門とし、純正哲学を後門とし、以てその説明を試みんと欲するなり」

出典:「妖怪学講義録」・明治三一年