
その身に実験したることにあらざれば
確実となすべからざるかというに
自ら実験したるもの
なお確信し難し。
現代語で言うと
自ら実験したことだけが、
確実な証拠となるかというと、
自ら実験したことでも、
なお確信することはむずかしい。
※生理学者のクロード・ベルナール(1813-1878)は、「観察は自然現象そのままの探究であり、実験は、探究者によって変化させられた現象の探究である」という。すなわち、観察は自然現象を受動的に探究するのに対して、実験は研究対象である自然に積極的に働きかけて、結果的に研究者によって変化を加えられた現象を探究することになるので、できる限り人や機器によって、自然状態に外乱が与えられないように慎重には慎重を期す必要がある。
出典:「妖怪学講義」・総論