物界を起点としたる観察
心界を根拠としたる論証
経験を主眼とせるもの
認識を本位とせるもの等
いずれも一理ありと考定し
これらの諸見を総合集成して
相含無尽説を帰結するに至れり。

現代語で言うと

物質世界を起点とした観察、
精神世界を根拠とした論証、
経験を主眼としたもの、
認識を本位としたもの等々、
いずれも一応の理由があると思われるが、
これらの考えを総合的に集大成して、
(円了は)相含無尽説にたどり着いたのである。

※「相含」とは、物事を、それぞれの内側から別のものを観ると、矛盾・対立しているが、これを外側から客観的に両方を観ると、相互に含む関係にあるということ。AはBを含んでAであり、BはAを含んでBである事態。

出典:「哲学新案」・第一二二節